睡眠時の脳波検査で病気が分かる?診断される病気とその症状

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目次

脳波とは

人間の脳で発生している電気現象を記録したものを【脳波】と呼びます。
脳から発生する微量な電流を記録することで脳が正常か異常を診断することができます。
脳波を測定することにより睡眠状態が診断できます、また脳の障害やてんかん等の診断材料となります。

脳波の検査方法

脳波の検査は脳が発生する微量な電気を頭部に電極を付けて計測します。
計測する電極は頭部に19個耳の左右に1個ずつ付けます、その後寝ている状態で20分から1時間程で検査が終わります。
睡眠時の脳波検査では睡眠ポリグラフ検査があります、この検査では睡眠時の脳波や呼吸及び体の動きを記録する検査となります。
睡眠ポリグラフでは睡眠時の記録を取るため病院に泊まり検査となることもあります、これによって睡眠障害の診断に活用されます。

脳波の種類とは

脳波は1つの種類ではなく、周波数によって4つに分かれています。

δ波(デルタ波)周波数帯1~3Hz

デルタ波はノンレム睡眠時に現れる脳波です、通常成人では覚醒時にデルタ波が発生することはありません、新生児や子供の場合は覚醒時にデルタ波が発生します。
成人であっても統合失調症や認知症等の疾患がある場合においては覚醒時にデルタ波が発生することが確認されています。

θ波(シータ波)周波数帯4~7Hz

シータ波が発生するのは眠りに入る前の眠りかけの状態で発生します、また集中している場合や瞑想状態でもシータ波が発生することが確認されています。
また睡眠時ではレム睡眠時にシータ波が発生します。

α波(アルファ波)周波数帯8~13Hz

アルファ波は覚醒時に脳が安静状態となっている時に多く発生します、反対に寝ている時や精神的に緊張状態になると減少します。
アルファ波の計測により意識障害やてんかん等の診断材料となります。
「アルファ波が発生する」と謳われている音楽があります、これは音楽からアルファ波が発生していると思われていますが全くの誤解です、アルファ波はあくまで脳から発生するので外部から入ってくるものではありません。
アルファ波はリラックスすることにより多く発生するので、音楽を聴いてリラックスすることで脳から発生します、しかし音楽を聴いてもリラックスできなければどんなに聴いても脳がリラックスするわけでは無いのでアルファ波は発生しません。

β波(ベータ波)周波数帯14Hz

ベータ波は覚醒時に物事に集中している時や脳が活発に活動している時に発生します、また不安感があるイライラしている興奮している状態等で発生します。

脳波検査でわかること

脳波検査により脳の疾患を診断する材料になります。
代表的な疾患ではてんかん・精神疾患・統合失調症・認知症・睡眠障害・脳挫傷・意識障害等が挙げられます、診断は脳波だけでなくその他の検査を組み合わせて判断されます。
また脳波検査は死亡診断や脳死診断にも使用されています。

まとめ

現在では脳波を検査する機械も様々なものがあります、睡眠時の脳波検査では通常専用の検査室で行われますが、継続して脳波を測定する場合はポータブル式の脳波計も出ていますので状況によっては生活環境を変えずに脳波を測定することができます。
脳波は脳の状態を知ることができます、何かおかしいと感じていても脳の動きを見ることはできないのです、しかし目に見えない脳波を調べることにより脳の異常を判断することができます。
脳波検査により見えなかった脳の異常や精神的な異常状態を見つけられ診断と治療に役立ちます。

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