寝過ぎても大丈夫!統合失調症と睡眠障害の知っておきたいこと7選

統合失調症は精神疾患の中で重篤なケースな患者が多く、まだ分かっていないこともたくさんある病の一つです。他の精神疾患のように、統合失調症でも睡眠障害の症状が出てきますが、この疾患を深く理解したうえで睡眠の工夫をすることが求められます。

目次

遺伝子が原因?

多くの説がある統合失調症ですが、遺伝子が発症に関わっているのではという説が有力です。実際に統合失調症の方がいる家系は有病率も高い傾向にあるという調査も存在し、遺伝と統合失調症の関連は今後の治療にも関わる大きなテーマです。

さらに詳しく発症メカニズムを説明すると、もともと遺伝的に統合失調症を発症しやすい人が大きなストレスにさらされ、極端な睡眠の問題などで負担が大きくなってきたときに症状が現れるという仕組みです。
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陽性症状と睡眠

統合失調症には「陽性症状」と呼ばれる独特の症状があります。陽性症状では過度な被害妄想や幻聴、幻覚などの症状が現れ、これらに悩まされて睡眠障害も起こりやすいです。患者にとっては特に幻聴の症状は大変苦痛を伴うもので、「眠るな」という命令が聞こえて睡眠が取れないこともあります。

陰性症状期間の長い睡眠

社会生活に支障が出る過眠は睡眠障害として扱われますが、統合失調症の「陰性症状」と呼ばれるものが出ている時期にも過眠が見られます。陰性症状は陽性症状と正反対の状態で、気分の落ち込みや何もできないほどの活動量の低下が起こります。この症状が出ている期間は睡眠時間が長くなりやすく、10時間以上に及ぶことも頻繁にあります。

必要な過眠とは

陽性症状期に出る過眠は、確かに本来適切な睡眠時間と照らし合わすと長すぎるものですが、実際には睡眠障害というより一つの「休息」として扱われます。妄想や幻聴の出る陽性症状で消耗する体力、精神力は尋常なものではなく、陰性症状はその後に出てくることからエネルギーを取り戻している期間と見なされます。

そのため、患者自身も統合失調症の過眠を睡眠障害として気にし過ぎる必要はありませんし、家族など周囲の方々も無理に起こして一般的な規則正しい生活を患者に強要すべきではありません。

危険な睡眠障害とは

陽性症状が先に出ることが多い統合失調症では、発病時に不眠を抱えているケースが多いと言われており、治療を始めてからでも睡眠不足が続くと再発の頻度が高まってしまいます。先ほど述べたように、この病気では多く睡眠を取るのが自然なので無理をして睡眠を削り、不眠状態を作らないように気を付ける必要があります。

定期的な通院を

統合失調症は薬が効きやすい精神疾患なので、通院して治療を受けると着実と改善しやすいです。ただし、年単位で経過を見ていく必要のある疾患なので、定期的な通院で睡眠の状態などをしっかり医師に伝え、のんびりと治療していくイメージで過ごしましょう。また、症状を客観的に把握しづらいという方は家族とともに診察を受けるのもコツです。

再発防止のための服薬

睡眠不足が増えてくると統合失調症の再発の恐れがあるため、早急に主治医に相談しましょう。また、この疾患では再発防止のために継続的に服薬していく必要があります。

精神疾患で服薬を続けることを負担に感じる方もいますが、持病で薬を飲み続けている方は非常に多いです。統合失調症だからといって他の病気と立場が違うわけではないので、「飲めば安心」という程度に思って服薬を続け、睡眠習慣を正して再発を防ぎましょう。
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