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そば殻は日本の伝統素材
そば殻とは、そばの実から取れた殻のことを指します。
日本では昔からこのそばの殻を干し乾燥させることで、枕などの寝具に用いてきました。
寝具の素材としては基本的に硬めのものとはなりますが、そば殻にもいくつかの種類があり、製品によって微妙に使い心地が変わってくるのも天然素材ならではのものです。
そば殻まくらのメリット
そば殻を素材にした「そば殻まくら」は、日本の昔からの知恵を活かした寝具でもあります。
頭に熱がこもらずひんやり快眠
そば殻まくらは、中のそば殻同士が適度な隙間をつくるため、程よい通気性をもっており、余分な熱を外に逃がす効果を持っています。
また、汗などの水分を吸収してくれるためムレも起こりにくく、すっきりとした寝心地となります。
安定性があり、高さも変えられる
シャリシャリと音のする粒状のそば殻は、粒同士が互いにひっかかることで、寝返りなどをうっても枕の形が崩れず、しっかりとした安定感があります。
また、枕の高さが合わない場合は、中のそば殻を抜いたり、枕の紐を緩めることで自分の好みに合った高さに変えることができます。
価格の安いものが多い
そば殻自体は、それほど高価なものでもないため、他の枕と比較すると、そば殻まくらは安いものが多いです。
安いものだと千円前後のものからあり、変え用のそば殻も売られたりするので、気軽に手に取ることができるのではないでしょうか。
そば殻まくらのデメリット
安価で通気性に優れるそば殻まくらですが、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
長く使うと、そば殻がつぶれボリュームが減る
そば殻まくらは1年以上ほど使っていると、中のそば殻が次第につぶれボリュームが減り、使い始めのようなクッション性が無くなって来ます。
また、それ以上に使うと、そば殻の粒同士が擦れ合うことで粉状になり、枕の袋が破れたりすることでそばの殻が外に漏れてきてしまいます。
そば殻まくらは寝返りをうった時などに、どうしてもそば殻の擦れる音がしてしまうので、やはり、他の枕の素材と比べても、その音が気になる人もいるようです。
ムシが発生することがある
そば殻は天然素材でもあるため、チャタテムシというムシがよってくることがあります。
チャタテムシは食料品などにも発生する小さなムシで、基本的に人間に害を及ぼすことはありませんが、やはり衛生上のことを考えると、日干しなどのお手入れを欠かさないようにしなければなりません。
そばアレルギーの人などは使えない
そばアレルギーの人は、そばを使った食品を食べるだけではなく、寝具などに使うことによってもアレルギーを発症してしまう可能性が非常に高いです。
また、喘息をもつ人の中にも、そば殻まくらを使うことによって、喘息が発症したり悪化したりする人がいるので、そのような方はそば殻まくらの使用は控えなければなりません。
そば殻まくらのお手入れ方法
そば殻は洗うことも不可ではありませんが、基本的にはそば殻まくらのお手入れは天日干しという形になります。
お手入れの方法としては、天気の良い日に広げた新聞紙に、中身のそば柄を出し、(出せない場合は枕のまま)、数時間直射日光を当て干します。
枕のまま天日干しする場合には、片側だけではなく途中でひっくり返し両面を干すことが大切です。
まとめ
そば殻はお人形などの詰め物として使われることもあるようですが、寝具の素材としてはやはり枕での使用がほとんどとなります。
また、そば殻まくらは昔から使われてきた寝具でもあるため、年配の方に多く使われるようにも思われますが、最近では形やデザインも豊富で、若い人達にも人気のある寝具でもあります。
すっきりとした寝心地のそば枕は、「頭寒足熱」という、日本の昔からの知恵を活かした寝具と言えるでしょう。
寝心地に関しては、「硬め」ということになりますが、ふんわりとした寝心地を求める方には向かない寝具になるかもしれません。
ほんのりそばの良い香りがするのもそば殻まくらの特徴ですが、「いぐさ」などと組み合わせることでより天然素材の風合いを活かした製品もあるようです。