
寝る時に音楽を聴くなんて、安眠の妨げにならないんだろうか?
そう思う方は、少なくないと思います。
本当にそんなことをして、効果なんてあるのか?
という話を、今回はしようと思います。
深夜にラジオを聴くと、不思議と眠りにつけるのはなぜ?
その前に、脳の仕組みの話をしましょう。
人間の脳は、「脳波」と呼ばれる電波を発しています。
通常の活動をしている時に出ている脳波は「β(ベータ)波」と呼ばれるもので、周波数は38~14ヘルツほどです。
リラックスをすると「α(アルファ)波」と呼ばれる脳波が出ます。
周波数は14~8ヘルツほどに落ちます。
眠りに入りかけのまどろんだ状態や、瞑想中の状態では、「θ(シータ)波」と呼ばれる脳波が出ます。
周波数はさらに落ちて、8~4ヘルツほどになります。
熟睡している状態に出る脳波は「δ(デルタ)波」と呼ばれ、周波数は4~0.5ヘルツとさらに落ちます。
話を本題に戻します。
基本的には、睡眠中の音楽は眠りを妨げます。
ですので、睡眠中に音楽を流すと深く眠れなくなります。
でも若い頃、お気に入りのラジオ番組を聞きながら、いつの間にか寝ていたという人も少なからずいるでしょう。
これは、どういうことなのでしょうか?
聞いていて気になる音はリラックスを妨げますが、逆に聞いていて気にならない音はリラックスさせる効果があることがわかっています。
人間が眠りにつくためには、先ほど説明した脳波の周波数を徐々に落としていき、β波→α波→θ波→δ波と移行させていくと楽です。
眠りにつく前には「リラックス状態」を作ることが重要なわけです。
「よい睡眠」へと導いてくれるのは、こんな音楽!
つまり、寝る直前にリラックスできる音楽を聴くのは、よい眠りを行うのに有効だということです。
では、「リラックスできる音楽』とはいったいどんな音楽でしょうか?
いろいろあるのですが、共通した特徴としては以下のようなものがあります。
一定のテンポであること。ゆったりしていた方がよい
歌詞が入っていないこと。歌詞があるとそれに集中してしまう
極端な高音や重低音が入っていないこと
適度に聴いたことがあり、かつ聞き流せること
自然音が入っているとなおよし
聞いている本人がリラックスできること
例えば、こんな音楽(?)がオススメです。
リラックスヒーリングサウンド
メタミュージック
ヘミシンク
バイノーラル・ビート
胎内音
よく「クラシックを聴くと眠くなる」などと言われますが、特に「眠れるクラシック曲」として名前があがるのは、
モーツァルト『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』
パッヘルバル『カノン』
バッハ『G線上のアリア』
ベートーヴェン『月光』
このあたりでしょうか。
ノリのよすぎる曲は、逆に興奮してしまうのでダメです。
聴き方も重要です。
眠りを妨げない音量は、大きくても40デシベルが限度ですので、これ以下で聴く必要があります。
また、ここで音楽を聴く目的は「リラックス状態を作ること」ですので、眠りに入った時には音が聞こえなくなっていなければなりません。
プレイヤーのタイマー機能を使うと楽だと思います。
最後に
重要なのは、
音楽自体には催眠作用はない
ということです。
あくまでδ波、θ波が出る前段階としてα波を出すことが目的となります。
積極的に活用して、深い眠りに入りたいものですね。