
大人だけでなく子供も忙しい現代の日本では、その多くの人が睡眠不足になっているといわれています。
忙しい日々を送っている人の間では睡眠時間の優先度が下がり、その大切さが軽視されてはいないでしょうか。
「忙しくて寝ている時間がもったいない」などと思う人は要注意。睡眠不足はさまざまな悪影響を及ぼしてしまいます。
そこで、きっと睡眠不足を解消したくなるようなその悪影響を7つご紹介します。
目次
わかっているつもりの「睡眠不足」
睡眠不足とは、具体的にどのような状態かご存知でしょうか?
言葉の意味では「寝足りない」「睡眠時間が短い」となるのですが、人によって感じ方に大きな差があるので睡眠時間の長い・短いでは表せないといわれています。
睡眠時間にかかわらず、日常生活に支障が出るような症状や影響を自覚している場合は、睡眠不足と判断してよいようです。
また、満足感のある睡眠を十分にとっていないという場合も睡眠不足となるでしょう。とくに「睡眠時間は十分長いのに満足感が薄い」という人は、質のよい睡眠がとれていない可能性が高いので注意が必要です。
睡眠不足が引き起こす7つの悪影響
では、実際に睡眠不足が原因で起こる悪影響について見ていきましょう。
身体や脳の疲れがとれない
人は寝ている間に、深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」を交互にくり返し、脳と身体を休ませ疲れを回復させているといわれています。
睡眠不足になると、それぞれの疲れを十分に回復させることができません。目覚めた後も脳が疲れたままですっきりしなかったり身体が重だるく感じたりして、身体活動に支障が出やすくなります。
ストレス解消ができない
どんなにイヤなことがあっても「一晩寝たらどうでもよくなった」、ということがありますね。
実際それは気のせいではなく、人は睡眠でストレスを解消していると考えられているのです。そのため、それ自体がストレス解消に有効な方法といえます。
ストレスは心身に大きな影響を与えるものですが、睡眠不足が原因となって解消されずに溜まり続けると疲れを感じやすくなります。
さらに、胃腸の働きが悪くなったり血圧が上がり気味になったりという症状が起きやすくなります。また、睡眠不足が慢性化すると不眠症などを引き起こすことにもなってしまいます。
集中力や判断力が低下する
睡眠不足の悪影響で、とくに多くの人が実感するのが集中力の低下でしょう。
睡眠不足になると朝起きた後に頭がぼんやりしたままでしっかり働かず、集中力や判断力が下がってしまいます。
ものごとに集中できず、肝心なところで適切な判断がくだせないなどの悪影響は、社会生活を送る上で最も支障をきたす可能性の高いものといえます。
老化が進むなど肌トラブルが起こりやすい
睡眠不足になると、夜寝ている間に分泌量を増やす成長ホルモンがきちんと機能しなくなります。
身体組織の修復や再生をおこなう成長ホルモンの分泌量が減ると、細胞を傷つける活性酸素が体内に増殖し肌の老化が進んでしまうのです。
また、成長ホルモンが減ると肌の新陳代謝の周期が乱れることにもなり、肌トラブルを起こしやすくなります。
すると、肌にシワやたるみができやすくなる・目の下にクマができやすく消えにくいなどの悪影響が及ぶことになります。
太りやすくなる可能性がある
睡眠が足りなくなると、身体は胃から「グレリン」というホルモンを分泌します。
このグレリンは、主に空腹時に多くつくり出されて食欲を増進させるホルモンなので「食欲ホルモン」や「肥満ホルモン」などと呼ばれることもあるそうです。
グレリンは睡眠不足によっても分泌量が増えることから、太りやすくなるという根拠の一つになっているようです。
感情が不安定になりコントロールしにくくなる
睡眠が不足している状態ではストレスに弱くなります。そのため、「ストレスホルモン」と呼ばれる物質の分泌が促されることにもなります。
ノルアドレナリンなどのストレスホルモンには、交感神経を興奮させ人の情緒を乱してイライラや不安を感じやすくする作用があります。
そのため、不安定な感情が呼び起こされて怒りっぽくなったり落ち込みやすくなったりするわけです。
記憶力や学習効果が下がる
先述のとおり、睡眠不足の状態では集中力の低下を招きます。すると、授業や講義などの勉強内容が頭に入ってこなくなり学習効果が低下します。
また、人の脳は寝ている間に記憶の整理をおこなっていると考えられているので、学習した内容をきちんと記憶に留めておくには睡眠が欠かせないのです。
以上、睡眠不足がもたらす悪影響を7つご紹介しました。やることが多くて忙しいなどと、人が社会生活を営むうえで最も大切な睡眠時間を削ったりせず、十分な時間を確保してしっかり休むことをおすすめします。