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夢の基本的な仕組み
睡眠中の夢は脳内で常に発生しており、起床後に記憶できているものが「見た夢」として認識されます。夢を覚えているかどうかは個人差がありますが、浅めの睡眠が続いている時に現れた夢は比較的記憶されていることが多いです。
悪い夢で病気になる?
夢の中でも悪夢は起床後のストレスに繋がり、さらに悪い夢を見る恐怖感から睡眠を取るのが怖くなってしまうということも起こり得ます。このように悪い夢を見る日々が続いてしまうと、「悪夢障害」という一つの疾患として治療の対象となることもあります。
精神疾患による悪夢
パーソナリティ障害やうつ病に始まる精神疾患を抱えている方は、悪い夢を見る頻度が高いことが判明しています。精神疾患から起こる悪夢は、悪夢障害として治療されることもありますが、多くの場合は原因となる精神疾患の治療に注力し、疾患が和らいでくると自然と悪夢を見る頻度も減っていきます。
睡眠時の環境要因
悪夢の症状は、室温・寝具など睡眠時の環境が適切でない時にも起こります。朝起きると汗をたくさんかいていたり、夜中の暑さまたは寒さで目覚めてしまったりする場合は、睡眠環境を体に合わせてみることで悪夢の悩みを解決できる可能性があります。
治療薬が原因の悪夢
悪い夢は、うつ病の治療に使われることが多い三環系抗うつ薬などの処方薬の服薬を止める際に起こることがあります。服薬を止めた際に出てくる不調を「離脱症状」と呼び、その一つに睡眠時の問題が含まれています。処方薬は決して自己判断で断薬せず、医師と話し合いながら量を調整していくようにしましょう。
遺伝や加齢による夢の見やすさ
夢を見る頻度や頻繁な寝言は、遺伝的な要因も関連していることが分かっています。また、お年寄りが早起きしているイメージの通り、加齢によって睡眠が浅くなると、夢を見やすくなることもあります。夢の回数自体は多いと、自然と悪夢を見る可能性も高まり、睡眠の悩みとして定着してしまう可能性があります。
専門医の治療を受けてみよう
特に精神疾患が原因となっている悪い夢の症状は、睡眠と心の病について精通している専門医の治療を受けることで対処できます。精神疾患を持っている場合は悪夢以外の症状が現れていることも多いため、まずは医療機関に赴いてみることが大切です。近年では心療内科や精神科を受診する方も多く、クリニックの環境も綺麗に整えられていて受診の敷居は下がっていますので、気軽に睡眠の悩みを相談することが大切です。
悪い夢のストレスを発散しよう
悪夢の症状でうまく睡眠が取れない場合、悪い夢の話を周囲と共有する方法と、絵などにして表現し、客観的に見つめてみる方法が効果的です。周りの人に悪夢について話すことでそれが笑い話になることもありますし、絵や文章で表現すると抱え込んでいたストレスがすっきりします。睡眠時に悪い夢を見てしまっても、それをネガティブなまま自分の中に閉まっておかないような工夫が夢の症状の改善に役立ちます。
食事のタイミングと寝室の調整
寝る前の食事は胃への血流を減らし、睡眠がうまくいかない原因の一つとなり、それが悪夢を見る原因となることがあります。食事の習慣を見直し、どのような寝具や寝室が自分に合っているかを理解しておくことで、悪夢の頻度を減らせます。