
日々ストレスにさらされる状態で生きているといってもよい現代人。そのストレスを上手に解消することは、現代社会に生きていれば不可欠です。
ですが、うまくストレスを解消できずに過ごしていると、知らないうちにストレス漬けになってしまいます。
ストレスが溜まると睡眠にも影響し、寝つきが悪くなったり不眠が起こりやすくなったりする原因にも。
そこで、ストレスと睡眠の関係や、睡眠の質を大きく下げてしまう原因となる「おすすめできないストレス解消法」についてご紹介します。
なぜストレスは睡眠に悪影響を与えるのか
ストレスを感じている状態は、脳の疲れが取れていない状態ともいえます。
「イヤなことがあっても一晩寝たら忘れた」というのは、睡眠をきちんととることで疲れた脳をしっかり休ませた結果に起こることでもあるのです。
そのため、睡眠はそれ自体がとても効果の高いストレス解消法といえます。
ですが、一晩寝たところでストレス解消にならない場合は、睡眠の質が下がっていることが考えられます。
人は外部からストレスを受けると、自覚していなくても脳がそれを感知します。さらにストレスに抵抗しようと交感神経が興奮状態になることにより、ストレスホルモンが分泌されます。
ストレスホルモンとは、交感神経を緊張・興奮させて身体を覚醒させ続けるコルチゾールやアドレナリンなどを指します。
これらの働きによって睡眠の質や免疫機能も低下させられてしまうことになるのです。
睡眠の質を悪化させるストレス解消法3選
ストレスを解消することが睡眠の質を上げるためには不可欠なわけですが、間違った方法でストレスを解消しようとすると大変なことになる場合があります。
そこで、ストレスを解消して質のよい睡眠を取ろうとするはずが「逆効果」になってしまう方法をご紹介します。
ストレスを感じたらお酒を飲む
適量のアルコールには確かにストレス解消効果があります。気の合う友人との楽しいお酒は気分転換になり、有効なストレス解消法の一つでしょう。
アルコールを摂る効果には気分をリラックスさせ血行もよくなるというものがありますが、これはあくまで適量の範囲で留めた場合の話です。
そのため、「ストレスを感じたからお酒を飲む」というのはおすすめできません。
お酒の飲みすぎは肝臓に負担がかかりますが、肝臓の機能が衰えてもなかなかそれを自覚することはできないのです。
また、アルコールには非常に強い依存性があるため、ストレスを感じたらお酒を飲む習慣をつけてしまうとその量がどんどん増えていく可能性があります。
さらには、アルコールが分解される過程で発生するアセトアルデヒドという物質に覚醒作用があるため、就寝後に目が覚めやすくなる原因になります。
イヤな気分を紛らわすために食べる
アルコールと同じように、食べること自体はストレスを解消する効果があります。
食べものが体内に入ると消化器官が動き出しますが、胃腸などの消化器官を支配しているのは副交感神経です。
つまり、食べることで副交感神経を刺激することになるのでリラックス効果が得られ、ストレスが解消されたと感じるわけです。
ですが、「ストレスを発散するために食べる」というのはいけません。
食べることがストレス解消の手段としてクセになってしまうと、ストレスを感じるたびに食べものを欲する過食に陥り、食欲の抑制が利かなくなってしまう恐れがあります。
あまりにたくさん食べこむと消化も追いつかず、寝るべき時間になっても眠気が起きない・寝つきが悪くなるなど睡眠の質を下げることになるため、注意が必要です。
休日に寝だめをする
先述のとおり、眠ることはストレス解消に非常に有効な方法です。
日ごろ仕事などで忙しい現代人は、睡眠時間を削ってでもやるべきことを優先する傾向にあるので、休日には終日寝ることでストレスを発散しているという人も多いでしょう。
普段の睡眠時間より大幅に長く寝ることは、体内時計を狂わせる原因になります。すると、普段どおりの時間に寝起きするのがツラくなり、昼間に眠気を催して夜になると目が冴えてしまうという悪循環に陥る場合があるのです。
ストレスを解消しようと極端に長く寝だめをするのは、その後の生活リズムまで崩れていくことに発展する可能性もあります。
睡眠に悪影響が及ばないためにも、休日は「普段の睡眠時間に2時間余計に寝る」程度に留めておくとよいでしょう。
以上、ストレスを解消して質のよい睡眠を取るはずが逆効果になる、おすすめできないストレス解消法を3つご紹介しました。
他にも睡眠の質を下げる原因に考えられるものはありますが、この3つを意識するだけでもかなりの効果が期待できるのではないでしょうか。
特定の方法に依存せず、上手にストレスを解消してくださいね。