
歳をとると、疲れが取れにくくなります。
寝起きの時に体全体、とりわけ肩がズシリと重たい、という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、この肩こりの原因と対策について書きたいと思います。
寝起きの時の肩こり、なぜ起こる?
朝起きても体の疲れが取れず、肩がこってしまう原因はいくつかあります。
順に説明していきましょう。
・前日ひどく疲れた
夜遅くまで仕事をして「午前様」で帰って来ると、一晩程度の睡眠では疲れはなかなか取れないでしょう。
「午前様」が1日だけならそれほどでもないかもしれませんが、何日も続くと蓄積します。
蓄積した疲れが肩こりを引き起こす、というパターンもこれに含めてよいと思います。
・そもそも肩こりは慢性的に起こっている
すでに肩周辺の筋肉に疲労がたまっていたり、血行が悪かったりしている状態です。
この状態だと寝返り一つ打つのも大変で、必然的に眠りは浅くなります。
そして肩の疲労が取れずに肩がこる、という悪循環です。
・睡眠時の姿勢が正しくない
横向きで寝ている時、首と枕の間に大きな隙間があると、首周りの筋肉が緊張してしまう上に、自重で肩とその周辺を圧迫し血行不良の原因となります。
また、首をねじった状態でのうつぶせ寝も、血行不良や寝違えの原因となります。
・枕が合っていない
前述の通り、寝返りを打つなどして体が横を向いた場合、枕の形状が体に合っていないと肩の血行不良の原因となります。
人は平均1時間に2回ほどの頻度で寝返りを打ちますが、枕が合わないとこの回数が増えます。
またその寝返りも、自然に打てなくなり、深く眠れなくなります。
・睡眠時の悪癖
「歯ぎしり」や「噛みしめ」などがこれに当たります。
睡眠時にこれらを行っているということは、睡眠中あご、首、肩の筋肉が緊張状態にあるということなので、目が覚めた時の肩こりにつながります。
・睡眠時無呼吸症候群
睡眠時に呼吸が止まってしまう病気です。
呼吸が止まるということは、肩の筋肉への酸素の供給も不足するということですので、肩こりにつながります。
肩こりを解消するには
原因がわかったら、つぎはその原因への対処です。
原因ごとにとるべき対処を、以下に記します。
・自分に合った枕を選ぶ
さて、「自分に合った枕」とはどういう枕を指すのでしょう?
枕を選ぶ上で大事な点を以下にあげていきます。
頭だけでなく、肩まで支えられること…肩まで支えられないと、首の部分に隙間ができてしまう。これによる弊害は先述の通り。
横から見た形状が三角形であること…水平面から見た首の角度は5度前後がベストで、この状態を作るための形状。
高さが10~15cmであること…布団の水平面と首の間の距離は1~6cmがベストなので、枕そのものの高さはこのくらいになる。
幅が60cm以上であること…寝返りを打つことを考慮した場合、このくらいの幅は欲しい。
自分の体に合った固さであること…固すぎると首や肩の筋肉がこわばってしまうし、逆に柔らかすぎると首や肩を支えられない。
・ストレッチで、固くなった体をほぐす
特に肩こりに有効なのは、以下のストレッチです。
筋弛緩法…前身に全力の7~8割ほどの力を入れた状態を5秒ほど続けた後、10秒ほど脱力する。
肩甲骨ほぐし…肩甲骨を狭めるイメージで息を吸い、肩甲骨を広げるイメージで息を吐く。呼吸はゆっくりと。
肩すくめ…両腕をだらりとさせた状態で息を吸いながら肩を上げ、息を吐きながら肩を下ろす。これも呼吸はゆっくりと。
腕引き…肩が痛い方の腕を後ろに上げ、20秒ほど静止したら下ろす。これを2セット行う。
脊椎ストレッチ…ストレッチポール(なければタオルなどでも代用可)に背中を乗せ仰向けになり、左右に動きながら背中を伸ばす。
・睡眠時無呼吸症候群への対処
これは、睡眠障害を扱う病院へ行き、お医者さんのお世話になりましょう。
まずは相談から。
・歯ぎしり、噛みしめへの対処
これらはストレスが原因で起こるといわれていますが、ハッキリした原因は断定できないのが現状です。
ただ、肩こりだけでなく歯痛があるようでしたら、歯ぎしりや噛みしめを疑った方がいいかもしれません。
痛くなった歯は、歯医者さんで診てもらいましょう。
最後に
寝ている時、肩に過度の負荷をかけると肩こりになるわけですが、いろいろ原因があって、それによって講じるべき策も違うということがお分かりいただけたと思います。
しっかり対策して、肩のこらない朝を迎えたいものですね。