
今回は、「よい眠り」のために「良い香り」を活用しましょう、というお話。
アロマセラピーの効果の一つに、
鼻から「香り分子」を吸入することにより、脳を始めとする神経系に働きかける
というのがあります。
眠れない時は、神経が何らかの形でダメージを受けているので、それをアロマで癒すことによって改善していくのが、「アロマセラピーによる睡眠改善」の目的です。
次以降で、詳しく説明していきましょう。
寝付けない時は―入眠を助けるアロマ
ところで、「よくない睡眠」というのは、具体的にはどのような状態を指すのでしょうか?
人間の神経には「覚醒中枢」というのがあります。
覚醒中枢は、「情動中枢」と呼ばれる別の神経からの刺激を受け、人間を覚醒状態へともっていきます。
この覚醒中枢が働いている時は人間はうまく眠りにつくことができません。
つまり、「覚醒中枢が働いている睡眠はよくない睡眠」と言いかえることができるでしょう。
スムーズな入眠のためには、情動中枢を沈静化させ、覚醒中枢を刺激しないことが重要になってきます。
アロマセラピーでは、情動中枢の鎮静作用があるアロマをかぐと、眠りに入りやすくなります。
情動中枢の鎮静作用があるアロマのうち、代表的なものは以下の通りです。
カモミール・ローマン…フローラル系。中枢神経を沈静化し、心のダメージを癒やしてくれる。
オレンジ・スイート…柑橘系。リフレッシュ効果があり、不安、緊張、ストレス、うつ状態から解放。
クラリセージ…ハーブ系。不安、緊張、恐怖など、精神的なダメージに効く。
ネロリ…フローラル系。深くリラックスさせる効果があり、幸福感をもたらす。
プチグレン…樹木系。鎮静作用あり。プレッシャーや不安を感じている時に。
マートル…樹木系。心を落ち着かせ、純粋さを取り戻させる効果が。
マンダリン…柑橘系。不安や混乱を抱えた心をサポート、明るく元気な心に。
フランキンセンス…樹脂系。心の滞りをなめらかにし、心に静けさをもたらす。
突然目がさめてしまう時は―中途覚醒を防ぐアロマ
寝付いてしまうと情動中枢の働きは弱まるので、中途覚醒を防ぐためには自律神経に働きかけるアロマが効果的です。
自律神経に働きかけるアロマのうち、代表的なものは以下の通りです。
ラベンダー…フローラル系。交感神経を沈静化させ、深いリラックス効果が。他のアロマとも組み合わせやすい。
マジョラム・スイート…ハーブ系。副交感神経に働きかけ、自律神経を調整。呼吸を落ち着かせる。
セドロール…樹木系。シダーウッドオイルに含まれる香り成分。自律神経に作用し、心身をリラックス。
バニラ…スパイス系。自律神経に作用。心身をリラックスさせ、幸福感が得られる。
サンダルウッド…オリエンタル系。日本でも古くから「白檀」という名で珍重されてきた。副交感神経を刺激し、リラックス効果あり。
ベルガモット…柑橘系。自律神経に作用し、精神を鎮めてくれる。
イランイラン…オリエンタル系。アドレナリンの分泌を抑制し、興奮を抑える作用がある。
最後に
これらのアロマをかぐタイミングについても付記しておきましょう。
就寝する30~60分前に吸入を始めるのが最も効果的です。
最後に重要なことを。
効能はあっても個人的に心が落ち着かないアロマは使わない
心理的にイヤなことをすると、効き目は格段に落ちてしまいます。
人には「好み」というものがありますので、その好みに合ったアロマを選ぶとよいと思います。
では、アロマセラピーでよい眠りを!